その日、世界は文字通り≪割れた≫。
世界と世界を隔てる≪守護≫の崩壊。その干渉を受けた幼い肉体と精神は、生まれながらにして魔法の理を解していた。
生まれながらにして罪を背負った存在はどうすれば良いのだろう?
この世に発生した瞬間に罪を犯した存在はどうすれば良いのだろう?
少女はただ訳も分からぬまま、≪加害者≫への茨道をひた走るしかなかった。
「どうして?」少女は繰り返す。≪魔法≫が≪加害≫と同義になってしまった世界で、自身の加害性を正当化する理由を求めて繰り返す。
運命の家畜にも平等に贖罪の時は来たれり。その日、少女の目は死んだのだ。
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